あなたの会社では、
「昇進というものがありますか?」
またその際に、
「能力評価がなされていますか?」
ご存じの方も多いかと思いますが、今回は、ピーターの法則をみていきます。
「なに?それ。」
1969年にピーターさんが見つけた法則なんです。
難しく言うと、
「能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。・・・・・・」
やっぱり簡単に言いますね。
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有能な人は出世します。
無能な人は出世しません。
いずれ、有能な人もそれ以上、出世できなくなります。
出世できないのであれば、その人は、そのポジションでは無能ということになる。
この法則では、無能な人は出世しないのだから、一番下の層にいます。
その上の層でも、有能な人はさらに上へ出世するのだから、それ以上出世できない無能な人が残ることになります。
さらに上に行った有能な人も、それ以上出世しないのなら、そこの層では無能といえます。
その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされます。
なので、会社の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行されます
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なんだか笑い話のようですね。
でも、現実にあるように思います。
「うちの部長は、頭悪いんだよ」
「うちのお偉いさんは、頭が固いんだよ」
飲み屋で会社のグチを言っている人もいるんじゃないでしょうか?
しかし、上司本人だけに問題があるわけではないのです。
以前優秀であった仕事と、仕事内容が異なるだけなのです。
ただ、要求される技術をその人が持ちあわせていないだけです。
この問題を解決するための方法はいくつかあります。
- 次の段階の仕事をこなせる技術と、仕事のやり方を身につけるまで、昇進をさせない。
管理能力を示さない限り、部下を管理する地位に昇進させない、ということです。
- 次の地位に必要な能力の訓練を受けさせ、認められた人のみ昇進させる、というものです。
決して、昇進の後に訓練を受けさせるのではありません。
但し、どちらの場合でも、現在の仕事で有能であれば、昇給はさせていきます。
現状でも、有能な技術職の人は、無能な管理職よりも、価値があるとも言えるので、管理職のための賃金や役職を、有能な技術者に与えている企業もあります。
- 契約社員の採用
日本では、契約社員は、人手が足りない時や経費を安く抑える手段として取り入れられることが多い。
なので、どうしても正社員の補充要素が強く、立場も下に見られています。
それは採用する側の経営者が、そういう意図をもって契約に当たるので、そういう現状になってしまいます。
では、「ピーターの法則を回避するため」という意図を持てばどうなるのでしょうか?
契約社員は、これまでの雇用者や経験に裏打ちされた能力によって選ばれ、一定期間ごとに契約が更新されます。
ある時点で不適当さが見られれば、契約を更新しないことで容易に解雇されます。
契約社員は、会社の階級制度には組み込まれていないため、昇進システムとは無関係にあります。
契約社員には、雇用不安などの欠点は残るが、報酬さえ十分であれば、契約社員の地位で満足することになります。
会社にとっての最大のメリットは、有能な契約社員によって仕事を回すことができることです。
また、給料の高い管理職のポストを、有能な契約社員に置き換えることは、経費面でのメリットも出ます。
特に、人材の少ない中小企業では、有能でなくても、管理職は下から昇級していくケースが多いように思われます。
それでも、高度成長時代なら、会社はそれなりに、伸ばしていくことができました。
今は、海外との関連が深まり、競争はより激しくなっています。
なので、中小企業こそ、社長ひとりの力だけでどうにかしようとせず、従来の昇進システムを本気で考え直す時が来ていると思います。
無能な管理職を放置しておく余裕はないはずです。
これを読んでらっしゃる方で、
「自分は、経営者ではない」
「自分は有能ではない」
「実は有能に見せかけた無能社員だと、自覚している」
こういう方はいらっしゃいませんか?
そんな方は、能力評価制度や派遣社員の優遇には、強く反対してくださいね。
そうしないと、自分の身がやばくなりますので。(笑)
最後に、日本の労働生産性を見ておきます。
ちなみに、「労働者1人あたりが生み出す成果」
または「労働者1人が1時間あたりに生み出す成果」
これらを表す指標を労働生産性と呼んでいます。
要するに、「どれだけ効率よく稼いでいるか」ということです。
1位 ルクセンブルク
–位 マカオ
2位 アイルランド
3位 シンガポール
4位 ブルネイ
5位 アメリカ
…
34位 日本
衝撃の順位です。
上位は金融に強い国が占めていますね。
日本は先進国では最下位です。
5位までしか取り上げなかったのですが、欧州の国々は6位から名前が挙がっています。
これを見ると、日本は過去の栄光から脱出すべく、海外の考え方も謙虚に取り入れていく必要性を感じます。
編集後記
会社ってやっぱり “人” が「キモ」なんだと思います。
経営者はそれをわかってらっしゃいます。
しかし、人事制度に「どのくらい多くの時間と経費をかけているか?」
具体的なこととなると、専門的に勉強されてきた経営者は少ないと感じます。
ましてや、会社で一番優秀な人材を、人事担当者に充ててらっしゃらないと思います。
中小企業の場合、専任の人事担当者がいないことの方が多いように思います。
日本は海外に比べ、労働生産性は昔から低い。
それでもやってこられたのは、多くの発展途上国の国々に競争力がなかったからです。
もちろん、先人たちの頑張りがあってこそですが。
労働生産性の問題は、労働者にあるのではなく、国の施策や法律によるものが大きいと思います。
すなわち、
「有能な人がすぐに雇える環境」
「無能な人をすぐにクビにできる法律」
しかし、経営者にもできることが、まだまだ残されているように思います。
では、また明日。