男である私には、自分ごととして分かっていなかったことがあります。女性が結婚や夫の転勤により、それまで積んできたキャリアを断念する気持ちです。もちろん、知識としての認識はありました。
今、コロナ禍で社会は変わりつつあります。
リモートによる勤務もそのひとつです。
それをさらに進めた考え方が「リモート転勤」です。
女性は、結婚や子育ての理由から、転勤をためらうケースが多かった。しかし、転居せずリモート転勤という選択肢があれば、キャリア形成の可能性が大きく広がります。
既に具体的に動いている企業がいくつかあります。
三菱地所プロパティマネジメントは、リモート転勤の可能性の検証を始めています。
不動産業界は契約書や押印などの紙文化が色濃く残る業界です。
同社は「何か起きれば現場に駆けつける」を鉄則としており、社内から「リモートでは無理」という声があがっていた。
しかし、実験を進めた結果、現場業務を５％まで縮小でき、残った５％も出張でまとめて対応出来ている。
感心したのは、実際に本社勤務の女性３人を、地方の支社に１ヶ月滞在させ、実際に業務を検証させた事です。
仕組み作りを女性に託したのです。そのあと、対象を男性に広げています。
「キャリアを諦めなければならない転勤が本当に必要か？」
時代はそう問いかけています。