棋士の藤井聡太氏が渡辺明名人に勝って7冠を達成した。
20歳の若者が、八タイトルの中で一番歴史のある名人戦で勝利を収めた。
一方、野球界の大谷翔平選手は、大リーグでの活躍と人気は目覚ましく、WBCで世界一となった。
「自分も彼らのようになりたい」
「我が子を彼らのようにしたい」
では、どうしたらこの様な活躍が出来るのだろうか?
この2人の共通点は何か?
それは、“将棋や野球そのものを、トコトン好きである”ことに尽きると思う。まるで申し子であるがごとく。
2人を見ていると、それ自体を楽しんでいる。
「楽しくてしょうがない」そんな感じだ。
お金持ちになりたいからやるのではなく、お金がすべてではなく、好きだからやり続ける。
大抵は、子供が将棋ばっかりやっていたり、野球ばかりやっていると、親はその好奇心を、その情熱を叩きのめそうとする。
そして、ほとんどの子供はあきらめざるを得なくなる。
多くの子供が凡人と呼ばれる大人にしか成れないのは、親や先生など、周りの人たちが凡人であり、凡人のアドバイスに従って大人への階段を登るからである、とも言える。
藤井氏は、名人戦を終えた20分後にニコニコと詰め将棋をしている。
一代イベントに勝利した日ぐらいは、解放されて将棋はしないと凡人は思ってしまう。
大谷選手はあるインタビューで幸福論を語っていた。
「たっぷり練習できること。食べられるという平穏な1日に満足している。夜には心地よいベッドで寝られる。そして、明日が来ればまた練習できる」
彼はこれを、“ささやかではない幸せ”と言った。
彼らは、日常生活の瞬間瞬間を自然と楽しみ、そこに喜びを見出している。
これが二人の根本的な共通点ではないだろうか。
凡人は、結果を意識しすぎているように思う。