前回、社長の適材適所について触れたところで終わりました。
既に会社経営されている方の中で、「自分は社長に向いている」と自覚されている方には、何も申し上げることはありません。
しかし、「そうでない」と思ってらっしゃる方も大丈夫です。
今回はその話を掘り下げてみたいと思います。
国税庁によると、平成30年の日本の法人数は270万超です。
子会社と兼任されている社長を除いたとしても、かなり多くの社長が日本にはいらっしゃいます。
先ずは、そんな社長に必要な資質について、ベテランの経営者が語った言葉を見てみましょう。
Panasonic 松下幸之助氏
1.「会社は何のためにあるのか。どこに向かい、どの様にしていくのか」という、明確な「経営理念」
2.統率力、決断力、実行力、先見性、人徳
ヤマト運輸創業者 小倉昌男氏
1. 論理的に考える力
2. 戦略を練る力
3. ニーズを創り出す力
船井総研創業者 舩井幸雄氏
1.「勉強好き」
2.「プラス発想」
3.「素直」
LIXIL副社長 八木洋介氏
1.ゆきすぎるほどの情熱
2.スーパーな知性がある
3.人間的な魅力にあふれ、ほほえましい可愛げがある
SoLabo代表 田原広一氏
1.論理的な考え
2.戦略的な考え
3.需要を作り出す
4.経営者の立ち位置を理解
5.全体像を把握できる能力と先見性
6.共感力とコミュニケーション能力が高い
7.財務や会計の知識が備わっている
8.資金調達が上手い
フロイデ会長 坂本桂一氏
1.用心深さ
2.決めたらぶれない
3.先見性がある
4.約束を守る
5.社員に誠実
6.競争の水準を示せる
7.自分より能力がある人を使える
8.自分より能力がない人を使える
9.24時間仕事のことを考えられる
10.有能な秘書を雇う
以上が6人の経営者の考える「社長の資質」ですが、これを見て何を感じられたでしょうか?
どれも「なるほど」と思いますし、重要に見えます。
でも、6人の考えはそれぞれ違っているように思いませんか?
それと、
ここに挙げた「社長の資質」を持ってらっしゃる方が、数多くいる日本の社長の中でどのくらいいらっしゃるかという事です。
つまり、社長によって考え方が違っていて当たり前ですし、ここに挙げたような資質が無くても、多くの社長が会社を経営してらっしゃると言うことです。
この当たり前の現実をしっかり再認識して、自分なりの社長像を作り上げれば、社長の適材適所となるわけです。
周りの人達が言う社長像である必要は全く無いと言うことです。
自分独自の社長像をつくってしまえば良いのです。
例えば、先ほど挙げた6人が考える「社長の資質」の内、どれか一つでも秀でるものがあれば、あとはそこそこでも良いと思います。
自分の足りない資質を頑張って伸ばしていく事もいいですが、長所を磨き上げ、苦手な事は、できる社員に任せるかアウトソーシングで良いのです。
社長がスーパーマンである必要はないのです。
どうしても他の社長と比べてコンプレックスを感じてしまうのでしたら、自分の長所と他の社長の短所を比較して下さい。そうすれば少なくとも、コンプレックスはなくなります。社長の適材適所を、自分で作ってみて下さい。